
以前、浅野日本酒店で福岡の『百年蔵』という日本酒を飲んだことをきっかけに、お気に入りの日本酒の1つになりました!
今回はそのとても美味しかった福岡の銘酒『百年蔵』の酒蔵『石蔵酒造』について徹底的に調べてみました。
九州の大都市、福岡・博多で今も造り続けている理由や美味しさの秘訣がわかったので、ぜひ最後まで見ていってください!
目次
基本情報・アクセス

『石蔵酒造』は博多に唯一ある造り酒屋です。場所は博多駅から北に少し行ったところにあり、博多の中心部にあります。
酒造までのアクセスは、市営地下鉄かバスで行くことができます。バスの方が歩く時間は少ないので、そちらがおすすめです!
- 市営地下鉄:「博多駅」→「祇園駅」→ 徒歩12分
- バス:「博多バスターミナル」(ゆめタウン博多行)→「福高前」→ 徒歩1分
この酒造の理念は「博多っ子に愛される会社になる」との事で、理念からも博多に根付いた酒造であり続けていることがわかりますね!
歴史 〜はじまりから今〜
石蔵酒造のはじまり

『石蔵酒造』の歴史はかなり深いところまで遡ります。戦国時代から江戸時代初頭にかけて、軍事面で非凡な才能を発揮した武将・黒田官兵衛が関連しているようです。
黒田官兵衛は、織田信長に仕えたあと、豊臣秀吉の右腕として活躍し、外交交渉や諜略活動などさまざまな役割を果たした優秀な武将です。
そんな黒田官兵衛の播州播磨(今の姫路)の時代からの御用商人である「石蔵屋」がこの酒蔵の元です。
しかし、姫路を拠点にしていた「石蔵屋」がどのようにして博多まで来たのでしょうか。
それは黒田官兵衛の関ヶ原の戦いの功績を称えられて、筑前福岡藩主の命を受けた際に、この「石蔵屋」も帯同して博多に入ったことがはじまりです。
この時の「石蔵屋」は博多〜壱岐・対馬間で廻船問屋(海運業)を営んでいて、まだ酒造業はしていなかったそうです。
酒造業への参入から現在まで

廻船問屋(海運業)をしていた「石蔵屋」が酒造業に参戦したのは、江戸時代後期になってからだそうです。
そこから、明治3年に第2酒造場が建造され、そこが今の酒蔵(博多百年蔵)として使われています。これだけ歴史が深いからこそ、明治から絶やすことなく博多でお酒を造り続けているんですね!

ちなみにこれだけ歴史が深い酒蔵のため、この博多百年蔵は2011年1月に国の登録有形文化財としても登録されています!
ブライダルやイベント事業もやっている

この「石蔵酒造」でおもしろいなと思ったところがこの部分です。
酒造なのですが、ブライダル事業(ウェディング)やイベント事業(イベント・貸ホール)もやっているそうです。
歴史を振り返ると、幕末維新の頃には福岡藩の加藤司書、長州藩の高杉晋作、薩摩藩の西郷隆盛との密約の場として提供していたとのこと。そのような人が集まる場としても昔から使っていたのが名残であるのかなと思いました。
今では登録有形文化財としても登録され、街中に残る歴史ある空間として、披露宴やイベントなどでも使われるのはとても良いですよね!
2011年には火災にも見舞われた

実はこの博多百年蔵、過去に一度漏電により火災に見舞われたことがあったそうです。約1000㎡も焼失してしまう火事でした。
酒蔵にとっても地域の方々にとっても、この歴史的な建物の火事は大きな焼失だったと思います。
しかし、火災当日以降、多くの取引先の方々や地域の方々、お客様の声援や支援もあり、復旧・復興が進み、今の白壁土蔵の建物が再建されています。
この出来事も博多の地で酒造りを続ける1つの要因になっているんだと感じました。
↓百年蔵再生日記もあるようなのでぜひ見てみてください
酒造りのこだわり
150年を超える歴史の深い「石蔵酒造」の酒造りのこだわりについて紹介していきます!

フレッシュローテーション
石蔵酒造が1番こだわっているのが、この「フレッシュローテーション」です。
日本酒の特徴として、しぼりたてのお酒はフルーティーな香りやフレッシュ感が強くなり、熟成させたお酒は繊細でふくよかな味わいが出てきます。
この石蔵酒造は小さな規模の酒蔵で、過去に日本酒の需要が落ち込んだ時期に想定以上の在庫を抱えたことがあり、その結果、適度な熟成を管理するのが難しい状況になったことがあったそうです。
そのため、この酒蔵は常にフレッシュなお酒を提供することを第一に考え、「フレッシュローテーション」=しぼりたてに近いお酒を提供することを主軸においていて酒造りをしているそうです。これが百年蔵の美味しさの根本の秘密てすね!

小仕込
フレッシュローテーションを実現するための、1つの施策が「小仕込」です。言葉の通り、1回の仕込を小さくするのがこの施策です。
石蔵酒造では1回の仕込で酒米の総量を800kg以内にすることで、お酒の製造のローテーションを早くしているようです。
これには人手やコストもかかりますが、少ない量になる分、1つ1つの仕込で繊細な温度管理ができるようになることで、より美味しい日本酒を作ることができているんですね!

通年醸造
現在の百年蔵では、繊細な温度管理ができるサーマルタンクや、冷房除湿機能が完備された上槽室など、最新の機器の導入することで、通年にわたって日本酒を造る環境を維持できています。
これによって、一年中同じ環境で日本酒を造ることができるため、フレッシュローテーションも実現ができているようです。
全量槽しぼり
近年では、もろみを搾る作業で多くの蔵元で圧搾機械が導入されています。
しかし、石蔵酒造ではその機械を導入しても持て余してしまうだろうと考え、「酒袋」にもろみを入れて搾る「槽搾り」を続けているそうです。
この手間と時間をかけた作業も百年蔵の美味しさにも繋がっていそうですね!

銘柄紹介
今回も石蔵酒造で飲んだ銘柄と気になる銘柄を紹介していきます!
純米吟醸 百年蔵 F44


まずは『純米吟醸 百年蔵 F44』です。
この銘柄は福岡の限定酵母「44株」を使用しているため、福岡の頭文字「F」と44株の「44」を取って、この名前をつけているそうです。
私のお気に入りの銘柄で、酵母の酸味がほのかにありますが、穏やかで芳醇な香りとスッキリめの味わいのある日本酒でした。
食中酒としても合うので、ぜひ料理と共に飲んでみてください!
吟醸 如水


お次は『吟醸 如水』です。
黒田官兵衛は別名で、黒田如水と呼ばれているため、そこから取って「如水」と命名したそうです。
こちらは辛口でさっぱりとした味わいの日本酒で、福岡の豊かな海の幸に合うような日本酒でした。
ぜひ海鮮料理とともに飲んでみてください!
純米大吟醸 百年蔵

最後は『純米大吟醸 百年蔵』です。こちらは飲んだことはないのですが、石蔵酒造が一番おすすめしている銘柄になります。
山田錦を贅沢に使い、長期低温発酵でじっくり醸造した純米大吟醸の日本酒です。ラベルからも高級感が伝わってきますね!
純米大吟醸ならではの高い香りとお米の旨みがしっかり感じれる日本酒で、福岡県酒類鑑評会などさまざまな賞を取っている銘柄なので、ぜひ今度買って飲んでみたいと思います!
終わりに
今回は福岡・博多にある「石蔵酒造」について徹底的に調べてみました。
歴史の深い酒蔵で地域に深く根付いている酒蔵であることと、フレッシュな美味しさにこだわるためにフレッシュローテーションを第一に考えて酒造りしていることを知り、より好き度が高まりました!
これからも気に入った銘柄や気になった酒蔵について調べて紹介していきますので、次回もお楽しみに待っていてください!
前回、山口の銘酒『獺祭』についても徹底的に調べて紹介しているので、こちらもぜひ見ていってください!
それでは次回をお楽しみに!
参照サイト:
石蔵酒造ホームページ https://www.ishikura-shuzou.co.jp/
百年蔵ウェディング https://www.sakagura-wedding.jp/
兵庫県西脇市ホームページ https://www.city.nishiwaki.lg.jp/kakukanogoannai/shichoukoushitsu/hisyokouhouka/kanbee/top.html

松田賢太(マツケン、すけさん)
フリーランスシステムエンジニア(2023年8月~)
地方グルメや日本酒、ビール中心にブログ投稿しています。
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